米将軍と野菜の意外な関係

テレビでは「暴れん坊将軍」として有名な徳川八代将軍の徳川吉宗(1684-1751)は、米価の安定を目指した政策をいくつも行ったことで「米将軍」とも呼ばれていました。そんな徳川吉宗ですが、「さつまいも」、「小松菜」と意外な関係があります。

「さつまいも」を全国に広めた米将軍

吉宗が将軍であった1732年に西日本を中心に悪天候、長梅雨、冷夏そして虫害が発生し、米の不作が発生しました。その結果、深刻な食糧難に見舞われ一万人以上が命を落とすという江戸四大飢饉(ききん)の一つである享保の大飢饉が起きたのです。
その状況下、「さつまいも」の名前の由来となった薩摩藩(今の鹿児島県)や、瀬戸内海に位置する大三島(おおみしま)では「さつまいも」のおかげで食糧難を乗り切ることができていました。
そこで「大岡裁き」で有名な江戸町奉行の大岡忠相は儒学者であった青木昆陽を吉宗に推挙し、その有用性を説かせました。

吉宗は、昆陽に江戸の小石川薬草園などを中心に「さつまいも」の試作を命じ、その種芋を全国に普及させて栽培を広めていったのです。
その際、青木昆陽が栽培時の注意点・食べ方・保存法についてまとめた「蕃薯考(ばんしょこう)」もあわせて配布するという念の入ったものでした。
そしてその結果、その後に起こるいくつかの大飢饉で「さつまいも」は何人もの命を救うこととなったのです。

「さつまいも」の有用性とは?

「さつまいも」は痩せている土地でも育ち、悪天候や病気にも強く、かつ保存がきくことが米の代替として非常に魅力的な点でした。
栄養としても、炭水化物・カリウムの含有量は野菜の中でもトップクラスであり、また、食物繊維を豊富に含んでいます。
その他にも抗酸化作用のあるビタミンACE(エース)のうちビタミンC・ビタミンEを含んでいるのですが、「さつまいも」は量を食べることができることから、それらのビタミンを比較的多めに摂取することができます。

そして「さつまいも」特有の成分ヤラピン(切り口からでる白い液体)は腸の蠕動運動を促進するとともに、便を柔らかくする作用があります。
食物繊維とヤラピン、この2つが揃って作用することで、便秘に非常に効果的な野菜と言えるでしょう。

「小松菜」の名付け親である米将軍

吉宗は五代将軍綱吉が「生類憐みの令」により禁止した鷹狩を復活させた将軍でもありました。ある日、東京江戸川区の辺りで鷹狩をしていた際に食事をしていた香取神社で差し出されたすまし汁の青菜を気に入り、その周辺を流れる小松川にちなんで小松菜と名付けたそうです。

「小松菜」の効能とは?

「小松菜」は「ほうれん草」と肩を並べるほどの栄養価を含む野菜ですが、「ほうれん草」と比べて「えぐみ、あく」が少ないことが挙げられます。
主な栄養素について比較すると、カルシウム・鉄分は小松菜の方が豊富に含んでおり、他の栄養素についてもひけをとらないことが見て取れます。

(文部科学省の日本食品標準成分表から抜粋)

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