野菜栽培:土壌と肥料の「はなし」(その3)

農家さんは「良い土」を作り、肥料を与えることで作物を栽培・収穫していますが、作物の栽培は今後も継続的に行っていくものです。その継続栽培のために農家さんは様々な対応におわれています。その中から、連作障害について見ていきたいと思います。

連作障害とは

連作障害とは、同じ科の野菜を同じ畑で継続的に作り続けていることで、野菜の生育が悪くなってしまったり、病害虫の被害にあってしまうことを言います。
代表的なものとしては根菜類などに対する線虫による害虫被害や、アブラナ科に対する根こぶ病、そしてナス科・ウリ科などに対する青枯病・つる割病などの土壌病害があげられます。

連作障害の原因

1.土中の微生物のバランスが崩れてしまうため
「良い土」の3条件の一つであった「土の生物性」では、栽培する野菜にとって良いもの悪いものも含めてその微生物の多様性とバランスが必要でした。
野菜は根から微生物の餌となる有機物・糖・アミノ酸を分泌しており、それらは野菜の種類によって異なります。そのため、同じ野菜を栽培し続けていると、その野菜の分泌する餌を好む微生物ばかりが土中に増えることとなってしまい、微生物の多様性とバランスが崩れてしまいます。
その結果、その野菜の対応力の弱い病原菌の攻撃にもさらされやすくなり、病気になりやすくなってしまうのです。

2.土中の栄養バランスが崩れてしまうため
野菜は養分を根から吸い上げて摂取しています。そして、野菜が必要とする養分は種類によって異なっているために、同じ野菜を継続して栽培しているとそれらの養分が減少し、それ以外の養分が相対的に増加します。そして結果的に各養分のバランスが崩れてしまうのです。
大地と肥料の「はなし」(中編)で見たように、カリウム過剰時にはカルシウム・マグネシウムの吸収が妨げられたり、カルシウム過剰時には鉄・マンガン・亜鉛などの吸収が妨げられたりするように、土中の栄養素はそれぞれ影響しあっていますので、その野菜の必要とする栄養が満遍なく行き渡らないこととなってしまい、生理障害を引き起こし病気になりやすくなってしまいます。

3.野菜自身の分泌する物質が蓄積してしまうため
野菜は自身が生長していくために、他の植物が周囲で生育することとを抑制する物質を根から分泌しています。連作を続けていると、この物質が土中に蓄積されてしまい、自身の生育をも抑制するように作用し、結果的に生育不良となってしまうのです。

輪作という対応と農家さんの負担

連作障害に対応するためには同じ野菜を作り続けないことが基本的な対応となりますが、その際には、異なる野菜ではなく、異なる「科」の野菜を入れ替わり栽培することが必要となります。そのため農家さんは、いくつかの異なる「科」の野菜の栽培についての知識が必要となります。また、広い畑を持っている農家さんであればその畑を区割りして異なる野菜を順々に栽培することも可能ですが、そうでなければ時期ごとにその畑に栽培する野菜を変えて栽培しなければなりません。
そのような制限のもと、畑の「土の性質」にあった野菜を、収穫時の需給予想をしながら作付けを行わなければ、せっかくの苦労も経済的には報われなくなってしまいます。

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