野菜栽培:土壌と肥料の「はなし」(その2)

大抵の農家さんは「美味しい」野菜を「しっかりと」育てるために肥料を使用していますが、肥料を使用する理由は何なのでしょうか?また、どのようなものが肥料として使われているのでしょうか?今回は肥料について見ていきたいと思います。

肥料を使用する主な理由

植物は根から吸い上げた水分と空気中の二酸化炭素、そして太陽光のエネルギーを基に自ら光合成により炭水化物を作ることができます。しかし、植物が生育していく上では炭水化物だけでは生きていくことができません。窒素やカルシウムや鉄などの栄養素が必要となります。自然界で育つ植物であれば、様々な自然の循環のもとでそれらの栄養素が摂取できるかもしれませんが、畑という人工的な環境の中で栽培されている野菜には、その循環が期待できないために肥料を使用しています。

植物に必要な要素とは何か?

植物には17の必要な要素があり、大きく3つに分類することができます。

要素1:自然界から摂取可能な要素
これらは水分や空気中から根や葉を通しての摂取が可能であるために、特に肥料として施す必要のないものです。
炭素・酸素・水素があげられます。

要素2:多量要素
特に植物が多量に必要とするもの(植物体乾物中に0.1%以上含まれているもの)であり、以下の6要素となります。
窒素・リン酸・カリウム:::::「肥料の3要素」と言われ、特に重要な要素です。
カルシウム・マグネシウム:::::「肥料の3要素」とこの2要素をあわせ「肥料の5要素」と言われることがあります。
イオウ

要素3:微量要素
植物体乾物中に0.1%未満含まれているものであり、通常は堆肥からの摂取が可能であるために特に肥料として施す必要がないもの。
鉄・銅・マンガン・亜鉛・モリブデン・塩素・ニッケル

肥料の多量要素の役割は何か?

ここでは、特に重要とされる「肥料の多量要素」のそれぞれの主な役割を見ていきたいと思います。

<窒素:N>
「葉肥(はごえ)」と呼ばれ、葉や茎の成長に欠かせない要素であると同時に、たんぱく質や葉緑素を作るのに必要なものです。不足時には葉の成長が損なわれますが、過剰時には葉が生い茂りすぎるために開花が遅れたり、植物が軟弱となってしまいます。

<リン酸:P>
「花肥(はなごえ)」または「実肥(みごえ)」と呼ばれ、開花・結実を促進します。不足時には生育が遅れるとともに株全体が小さくなってしまい、花や実がつきにくくなってしまいます。

<カリウム:K>
「根肥(ねごえ)」と呼ばれ、根の生育に関与しているほか、たんぱく質やデンプンの合成にも欠かせない要素であるとともに、細胞内の浸透圧の調整にも関わっています。不足時には植物の花や実の形や味を損なってしまう場合があります。過剰時にはカルシウム・マグネシウムの吸収を妨げてしまいます。

<カルシウム:Ca>
細胞壁を厚く、丈夫なものとするものであり、耐病性を高める効能があります。また、「土」のPH(アルカリ度)の調整にも用いられます。過剰時には、鉄・マンガン・亜鉛などの微量要素の吸収を妨げてしまいます。

<マグネシウム:Mg>
光合成に必要な葉緑素の構成要素であるとともに、脂肪生成にも関与しています。過剰時には、マンガン・亜鉛などの微量要素の吸収を妨げてしまいます。

<イオウ:S>
植物内の酸化・還元作用に関与しているとともに、植物の生長の調整にも関与しています。不足時には葉が黄色くなってしまいます。過剰時には土壌を酸化させてしまいます。

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