栄養価という価格決定要因7:コストパフォーマンスを考える

1ドルあたりの抗酸化物質含有量で食材を比較検討する方法

野菜の栄養素の中でも抗酸化栄養素について注目が高まっていますが、本書内では赤キャベツ、そしてブロッコリースプラウトが費用対効果が高いと言及されています。
具体的な理由は、
「赤キャベツは約450gで1ドルであり、通常のスーパーの売り場で売っている食材と比較して1ドルあたりの抗酸化物質の含有量が最も多いこと。その量はブルーベリーの約3倍もあり、かつ保存性に優れていること。」
「ブロッコリースプラウトは家で栽培するとした場合、種代から計算して1日約5セントでスルフォラファンたっぷりの食材が摂れること。」
として、必要栄養価について必要となる投資金額を計算しています。
また、ブロッコリースプラウトとサプリメントとの比較についての最近の研究結果として
「サプリメントの生体利用効率が優位に低いこと」
も紹介しています。

実際、ブロッコリースプラウトはスーパーフードとして日本でも人気となり、一時期は品薄状態ともなっていました。私たちの周りには、まだまだ価格がその価値と比べて割安となっている青果物があるのではないでしょうか?生産者や供給者側が正しくそれらの商品価値・情報を発信することで、今より高くても買われる青果物は多いのではないでしょうか?もちろん、消費者側もそれらの情報を自ら取りに行くことも必要でしょうが。
昨今の健康ブームの高まり、その背景には健康寿命の延びとともに「国民皆保険制度」、「介護保険制度」を支える国家財政への不安そして人口の偏在化に伴う医療サービス低下懸念がありますが、に見合った商品価値・情報が消費者に「見えるように」ならなければ、消費者も「投資」判断ができません

 

消費者目線の野菜の価値:「機能性(栄養価)」

栄養価という価格決定要因1:増大する医療費・介護費用
栄養価という価格決定要因2:医療費負担により疲弊する国家財政
栄養価という価格決定要因3:少子・高齢化が更に国家財政を圧迫する
栄養価という価格決定要因4:制度疲労の保険制度再建のポイント整理
栄養価という価格決定要因5:高栄養価食材で自身の健康・将来の出費を守る

栄養価・価格・安全面を考慮しつつ「オーガニックは買う価値があるのか?」と検討する方法

本書の中で筆者は、

「数百件の研究をまとめたレビューによって、オーガニックの農産物は普通の農産物にくらべて、ビタミンやミネラルの含有量がそれほど多いわけではないこと。しかし、抗酸化物質ポリフェノールなどの栄養素は多く含まれていること」、
その理由として
「ふつうの農産物は合成窒素肥料をたくさん与えられて育つため、栄養分が防御機能よりも成長に向けられてしまうためだと考えられる。」
と述べています。

また、
「抗酸化作用が高いため、オーガニックの農産物が普通の農産物にくらべて20~40%も健康に良いと思われているが、価格が40%ほど高いため、同じお金ならば、ふつうの品の方がたくさん買える。」
「ふつうの農産物にはオーガニックの2倍のカドミウムが含まれている。しかし残留農薬の問題は過大評価されがちであり、一日当たり野菜一品目を追加することのメリットの方が大きい」
とも考えてます。

その上で
「残留農薬のリスクなどとるに足らないリスクかもしれないが、オーガニックを選択することでわずかながらでもそのリスクを軽減できる」
としてオーガニックを極力選んでいるものの、
「野菜をたっぷり摂るためには、オーガニックにこだわらず、残留農薬もあまり気にしない」
ようにしていると自身の投資姿勢をまとめています。

そこには、イメージにより物事を判断せずに、データを十分に吟味した上で食物に対して「投資」している姿勢がうかがえます。
青果物のの価値・需給に基づいて適正な価格決定がなされるためには、十分な情報とともにその情報に基づいて自身が判断するという2つの面が必要だと痛感させられる書物です。

引用・抜粋・参照
「食事のせいで、死なないために「食材別編」」(マイケル・グレガー、ジーン・ストーン著:神崎朗子訳 NHK出版)
Bernstein AM, Bloom DE, Rosner BA, Franz M, Willett WC. Relation of food cost to healthfulness of diet among US women.

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