栄養価という価格決定要因6:食材購入は栄養価への「投資」

最近話題の「食事のせいで、死なないために「食材別編」」を読んでみました。本の表紙にある「果物・野菜の購入費を1日当たり50円増やすと死亡率が10%Down」とか、「1日あたり1/4カップのナッツを週5日以上食べれば寿命が2年PLUS」などのコメントが気になったためです。本文内では、健康に良い食材の紹介のほかに、食材を購入・摂取する際の心構えや、栄養価と価格を食材ごとに比較・検討する話も出てきましたので、特にそれらの点について紹介したいと思います。
個々のデータについては米国のデータを基にしていることから日本では一概に当てはまらないこともあるかと思いますが、食材の価格を吟味する、あるいは食材を購入する上で参考となりうるものだと思います。

食材を摂取する際の機会費用という考え方

本文では「機会費用は、もっと健康的なものを食べていたら摂取できたはずの『栄養』だけではない。もっと健康的なものを食べていたら摂取しなくてすんだはずの『不健康な成分』も含まれる」と書かれています。この本は食材で、特に豆類・青果物で、健康を保つためにはということが一つのテーマとなっているのですが、食材を摂取する際には非常に真摯な態度で選択する必要性を再認識させられました。
特に日本では1日350gの野菜摂取が目標とされていますが、その量を摂ることだけでもなかなか困難であるために、とりあえず量と種類をといった人が多いのではないでしょうか?

食材購入を投資として捉える米国の論文

本書の中でハーバード大学の研究者の論文の結論にも触れられています。その論文は、最近は健康的な食事を維持するコストの研究がなされており、英国・スペイン・フランス・オランダの報告ではすべてが「より健康的な食事を実践するとコストがかかる」ことが示唆されていることをうけ、調査した内容となっています。
実際のアプローチとしては、代替健康増進指数(AHEI)という慢性疾患のリスクがより低い栄養素の摂取に関する尺度を基準に、果たして「よりお金を費やさないと健康的な食生活が送れないのか?」ということを検証したものです。
結論としては、支出を増やさずに食生活の大幅な改善が可能であることが述べられています。
そして以下の2点が論文内で言及されています。
1.ナッツ・大豆・豆類・全竜穀物への支出増加、赤肉・加工肉・高脂肪乳製品への支出減少が食生活にとって最良の投資(Invest)となる可能性があること。
2.植物ベースの食材購入が食生活への最良の投資となる可能性があること。

私たちは一度に無限の食材を食べることはできませんし、無限にお金を使って食材を購入できるわけでもありません。それらの制約の中で、自らの健康・パフォーマンスに寄与する「栄養」の最適化を考えながら食材を選択・摂取する必要があります。
「投資」であると考える当論文の言葉遣いには頷ける思いがします。
また、以上の2点については以前取り上げたテニスプレーヤーのジョコビッチ選手の食生活にも通じるものがあります。
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」:栄養素を意識して摂る(前編)
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」:ジョコビッチのWillingness To Pay(後編)

引用・抜粋・参照
「食事のせいで、死なないために「食材別編」」(マイケル・グレガー、ジーン・ストーン著:神崎朗子訳 NHK出版)
Bernstein AM, Bloom DE, Rosner BA, Franz M, Willett WC. Relation of food cost to healthfulness of diet among US women.

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