先人の知恵:「七草がゆ」の起源と効能(前編)

日本では古来より1月7日に無病息災を祈り、春の七草を入れた「七草がゆ」を食べる習慣があります。一体、いつくらいから始まった習慣なのでしょうか?また、七草それぞれの効能にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、それらについて見ていきたいと思います。

春の七草とは?

春の七草は以下のとおり、五七調の韻を踏んで覚えるのがおすすめです。
せり、なずな
ごぎょう、はこべら
ほとけのざ
すずな、すずしろ
普段なじみのうすいものもあるかもしれませんが、「なずな」は「ぺんぺん草」、「ごぎょう」は「母子草」、「すずな」は「かぶ」、そして「すずしろ」は「大根」のことです。

なお、「秋の七草」と呼ばれるものがありますが、こちらは鑑賞することで季節を味わう草花のことであり、食べる前提ではありません。
秋の七草は、「萩(はぎ)」、「尾花(すすき)」、「葛(くず)」、「撫子(なでしこ)」、「女郎花(おみなえし)」、「藤袴(ふじばかま)」、「桔梗(ききょう)」です。

「七草がゆ」の起源は?

本来1月7日は「人日(じんじつ)の節句」の日であり、古来中国では新年の7日目を「人(ひと)」の日として、人を大事に思いやる日、よって犯罪者に対する刑罰すらも見送る日とされていました。
更に、唐の時代(西暦618-907年)になると七種類の野菜を入れた汁物を食べて無病息災を祈る風習が始まり、その風習が日本にも広まったと言われています。
その後、江戸時代に入ると「人日(じんじつ)の節句(別名:七草の節句)」が五節句(※)の一つに定められ、その風習が一気に広まりました。
五節句(※):人日の節句の他、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕の節句)、9月9日(重陽の節句)

特に、お正月の「おせち料理」が続いた後で、胃腸を労わるとともに、若菜の力強さにあやかる意味合いもあったようです。
更には、
「せり」は「競り勝つ」
「なずな」は「撫でて穢れをはらう」
「ごぎょう」は「仏体」
「はこべら」は「家内繁栄がはびこる」
「ほとけのざ」は「仏様が安座して下さる」
「すずな」は「神様を呼ぶ鈴」
「すずしろ」は「けがれの無い白」
に通じることから、縁起の良いものとしても好まれていました。

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