「ジョコビッチの生まれ変わる食事」:栄養素を意識して摂る(前編)

2018年テニスのウィンブルドン選手権でノバク・ジョコビッチ選手が優勝しました。ウィンブルドン選手権は2011,2014,2015年に続いての4回目の優勝で、グランドスラム通算優勝回数13回となりました。彼のの著書「ジョコビッチの生まれ変わる食事」が、ここ数年、大変話題になっています。2011年にテニス四大大会のうち三大会で優勝を飾り(全豪・全米オープン・ウィンブルドン選手権で優勝、全仏オープンでは準決勝敗退)、自身初の世界ランキング1位に就いたのですが、その裏では自身がグルテンアレルギーであることを指摘され食生活の改善を実践していました。本書ではグルテンフリーの食事の実践方法についても書かれていますが、同時に「食べ物」を通して自身の身体をつくっていく「食べ方」についても語られています。

グルテンが原因の病気は3つに分けられる

「グルテン」とは小麦や大麦に含まれるたんぱく質の「グルアジン」と「グルテニン」が水をくわえられることで結びついたものであり、麺類・パン類などのモチモチ感をだす成分です。その「グルテン」が引き起こす症状は以下の3つに大別されます。
1.セリアック病
グルテンを摂取した時に異物と勘違いしてしまい、自身の免疫機能が小腸に対して働きかけ炎症を起こしてしまうものです。
2.グルテン不耐性
グルテンを消化・分解できない症状で、集中力の欠如、めまい、呼吸困難などを引き起こすことがあります。
ジョコビッチ選手の場合はグルテン不耐性であると書かれています。
3.小麦アレルギー
免疫反応が過剰におきる症状であり、セリアック病ともグルテン不耐性とも異なります。

本の中では、テレビで試合観戦をしていたジョコビッチ選手と同じくセルビア出身の栄養学者のセトジェビッチ博士が同選手のグルテン不耐症を見抜き、そこがグルテンフリーの食事への転換点であったことが書かれています。ジョコビッチ選手の場合は
・3か月で体重が82kgから78kgに落ちた
・体のキレがよくなり、集中力も高まり、疲れにくくなった
・アレルギー症状・喘息にも悩まされることがなくなった
ことで、自分に自信が持てるようになったと書かれています。

ジョコビッチ選手が実践する食事法

「どのように食べているかを聞いてほしい」とジョコビッチ選手が語っているように、彼の食事の摂り方は、グルテン不耐症ではない人々に対しても非常に示唆にとんだものとなっています。その中で彼は、「食物は情報だ」という言葉とともに「肉体と食物が効率的に副作用もないままで一体になってほしいと願っている」と書いているように、自分の体に合った食材を、その効能をそのままに自身の身体に取り入れるために、食事の時のルールをいくつか紹介しています。

ルールその1:「ゆっくりと意識的に食べる」

食事を効率的に消化して余計なエネルギーを使わないことで、次の肉体的活動のパフォーマンスの向上を図れます。また、満腹感を感じるまでには、ある一定時間が必要であるため、ゆっくり食べることで食べすぎを防ぐことができます。
このルールを実践するにあたるエピソードとして、完全な暗闇の中で食事をさせるレストランの話も紹介されており、そこでは味覚と嗅覚が研ぎ澄まされて食事を堪能できたことが語られています。
また、「食事前にすること」として、お祈りをして食べ物のありがたみを自分に言い聞かせるそうですが、同時に心を鎮めて食事に向かう姿勢が非常に印象に残ります。また後にも出てきますが、そのことによって負(マイナス)の感情を追い払い「明るいエネルギー」を取り込むことにつながってきます。
そして「食事中にしないこと」としてはテレビなどを見ることはせず、目の前の食事をかみ砕くことに集中して、消化時に食物が身体に対する情報として作用するように気を配っていることが語られています。

ルールその2:「身体に明確な指示を与える」

朝は一日のスタートとして炭水化物や果糖が豊富な果物を「エネルギーが必要なんだ。だからとれるだけとってくれ」と身体に言い聞かせながら食事をしていること。
昼には、あらゆる野菜と果物を摂ること。
夜には、たんぱく質や、低炭水化物の野菜を「今日作った傷を修復してほしいんだ。」と身体に伝え、リカバリーのために摂取すること。
ジョコビッチ選手が食材・栄養素の効能を考え、目的意識をもってそれらを摂取し、しかも身体に言い聞かせながら食事をしていることがよくわかります。

「ジョコビッチの生まれ変わる食事」:ジョコビッチのWillingness To Pay(後編)

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