東西品種改良対決:「いちご」価格の源泉を探る(その3)

2000年代に西日本で開発された「さちのか」「さがほのか」そして「あまおう」

<佐賀県で「さがほのか」の開発>

2000年代に入ると「とよのか」に続くブランドとして「さがほのか」が佐賀県で開発されました。「さがほのか」は甘味に富んだ「とよのか」と果実部の大きい「大錦」を掛け合わせたものです。甘味が強く、酸味が少ない大粒のいちごの開発を目指していたものです。クリスマス時期にも一定の収穫量が手当でき、また、佐賀県のPRも功を奏してか、大ヒット商品となっています。

<福岡県で「さちのか」「あまおう」の開発>
福岡県でも「とよのか」の次世代商品の開発が進められ、「とよのか」の弱点であった農家さんの労働力負担の軽減を図るべく、赤みの付き具合と個別果実の粒ぞろえに対して改良を加えた「さちのか」が誕生しました。「とよのか」と「アイベリー」を掛け合わせたものですが、「とよのか」よりもいくらか晩成であったため、佐賀県では「さがほのか」の栽培が盛んとなり、地元福岡県では、この後誕生した「あまおう」にとってかわられることとなりました。しかしその後、宮城県や長崎県での栽培が盛んとなり、今では長崎県の主力品種となっています。
「あまおう」は福岡県で「とよのか」と「てるのか」を組み合わせたものに、「久留米49号」(「とよのか」、「女峰」を掛け合わせたもの)と「さちのか」を組み合わせたものどうしを組み合わせることにより誕生しました。久留米49は「とちおとめ」の親でもあります。
「あまおう」も晩成であったために、生産サイクル面からみた場合に生産者にとって効率が良くはなかったものの、その粒の大きさ、そして「とよのか」に続く商品としてのブランド戦略もあいまって、市場で高値で取引される商品となり、今では日本中に知れ渡る福岡県の代表品種となっています。
「あまおう」とは、赤い、丸い、大きい、美味いの頭文字からとられており、また、甘いイチゴの王様との意味のこめられているそうです。

1970~2000年代の品種改良の系譜

今までの品種改良における系譜を改めて眺めてみると、1970年代の人気品種「はるのか」を源流として東西それぞれの地域で品種改良が競い合われていたことがわかるとともに、1990年代に「とよのか」「女峰」という東西人気品種掛け合わせによる統合品種「久留米49」が開発され、そしてそこからまた、「とちおとめ」「あまおう」という東西人気品種が生まれたことがわかります。

東西品種改良対決:「いちご」価格の源泉を探る(その2)

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