東西品種改良対決:「いちご」価格の源泉を探る(その1)

「いちご」は木部があまり発達せず、1年以内に花・実をつけて枯れてしまう草本植物であることから野菜に分類されます。但し、農林水産省では野菜に分類されるものの、その利用内容から果実的野菜として取り扱っています。確かにケーキにのっている「イチゴ」、ジュースやアイスクリームに使われている「イチゴ」を見ると果物のようなイメージを持ってしまいます。
実際、私たちのまわりの小売店では冬から春先にかけて「いちご」が並びますが、そこでは、まるで「リンゴ」や「ナシ」のように品種名をもって売られていて、もちろん例外もありますが、他の野菜のように産地などによる識別をしてません。そして、実際に購入したり食べたりする際にも、その品種名も意識しています。
今回は、その品種改良の軌跡もたどりながら、「いちご」の価値を見ていくことにしたいと思います。

「いちご」の栄養素について

甘かったり、酸っぱかったりする「いちご」ですが、甘味はブドウ糖・果糖から、酸っぱみはクエン酸・リンゴ酸によるものです。
しかし、何といってもビタミンCが豊富に含まれていることが筆頭に挙げられなければなりません。その含有量は100g当たり62mgであり、これは厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で男女ともに1日の摂取推奨量とされている100mg(授乳婦は145mg)と比べると、その豊富な含有量が伝わりやすいのではないかと思います。
また、ビタミンCのほかにも機能性栄養として抗酸化作用の期待されるアントシアニンが含まれています。
参照:文部科学省 日本食品標準成分表
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365420.htm

1970年代に人気だった西日本誕生の「はるのか」

明治時代に始まった「いちご」栽培の組織的な取り組みですが、品種改良については第二次世界大戦中は維持中断せざるをえず、戦後再開されました。そして、経済復興の道のりの中でビニールハウスの普及もあり、1960年台後半に九州で「はるのか」が誕生しました。
「はるのか」はそれまでの「いちご」とは異なり、年内から翌年の春先まで収穫が可能となったことで、特に米作の端境期にあたるために農家さんにとっても手掛けやすいものとなりました。
また、収量も多くなったのも生産者の農家さんにとって魅力であり、西日本から九州地区で栽培が広まりました。
一方、出来上がった「いちご」自体も、今までよりは実も大きく、かつ甘さが増したことも、消費者目線に立って考えると商品性が高いものであったと言えます。

東西品種改良対決:「いちご」価格の源泉を探る(その2)

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