九州:県の営農指導者に聞く(後編)

 

 

Q.産地の地位を確立していくための戦略としてことについて教えて下さい。
私は、やはり「美味しいもの」を作り供給していくことだと考えていました。消費者の人が食べてみて、「これ何?美味しいね。どこの?」と思って産地を確認してくれる。その声が拡がっていき、私たちの産地がブランドとなって行くような方向で行きたいと思っていました。非常に地道な方法のように聞こえるかもしれませんが、産地ブランドが後からついてくるような感じですね。
先にブランド化して売り出す方法もあるとは思いますが、その結果、その宣伝量に合わせた量を作ってしまったものの、気づくと消費者が離れてしまっているというのは非常に大きなリスクだと考えていました。私の後ろには実際に作ってくれている農家、ひいては地域がいるわけですから。
一方、可能性があることについては、それが0%ではない限り挑戦することです。何事にも常に「Yes」から入る。「No」という姿勢で入ってしまうと何事も変わりません。「Yes」と言って動き出すことによって、例えば、新たな人との繋がりができ予想もしなかった展開が連鎖的に起きることがありました。また、新たな取り組みを始めることで思わぬ好結果が生まれることもありました。

Q.6次産業への取り組みは何か考えられていたのですか
そもそも農家は、昔からやっているのです。例えば、梅干しを作ったり、漬物を作ったりなどの加工は日常の中で普通に行われていました。ただ、やはり「売り方」が上手くできないのです。商業的な宣伝文句、トークであったりとか、価格交渉するということの必要性や経験自体が培われていないことが挙げられると思います。また、いくつかの農家がまとまって何かをやるということや、加工をしない農産物も含めても同様なのですが、県外に目を向けて仕掛けるということも非常に少ないです。それには伝手(つて)がないことが一つの理由として考えられますので、私は積極的に「人」に会うことにしていました。特に県外と言った場合には、今後のTPPもありますし、グローバルな動きにも目を向けておく必要があります。そういうことも考え、私は分野を問わず異業種の方とも極力お話しをさせて頂いていましたが、そこでは様々な情報や可能性に触れることができました。

Q.畑でも、畑の外でも現場主義なのですね。非常に大変なご活動だと思いますが?
好きだからできていたんです。やっていても、楽しいから時間も気にならないし、苦にもならないんです。「Yes]と言って動き出すからだと思いますが、起きることすべてが新しいチャレンジですから。
また、野菜という「生き物」を対象としているため、日々勉強できることもありますので、大変と思ったことはありませんでした。
実際、欧州等の海外においては普及指導員の仕事は個別生産者と契約をして対価を直接受け取る職業となっています。日本の場合には、都道府県の職員が仕事として行い、地域活性化を図り、その結果各地域の税収がアップすることで職員の給与が増える図式となっています。直接対価を農家から受け取るわけではありませんが、最終的にはまわりまわって同じ仕事ですし、非常に刺激的だと感じていました。

Q.今後の地域農業を担う普及指導員の方にメッセージがあればお願いします。
私が現在の職場に入った時に言われていたことで、
・20代は技術を磨け
・30代は地域の技術を磨け
・40代は地域を動かす技術を身につけろ
・50代は後継者を育てろ
という言葉がありました。私も後継者をとなる人材が研鑽を積み、技術員のプライドを持って働けるように今後はサポートしていきたいと思っています。若い技術員が地域農家と地域発展のことを思い「No」と言わず挑戦してくれれば、また、日本の農業はまだまだ魅力あるものだと思ってくれれば、非常にやりがいのある仕事です。挑戦者として期待します。

Q.本日はありがとうございました。
こちらこそ、どうもありがとうございました。

九州:県の営農指導者に聞く(中編)

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