見てみた野菜の価格:キャベツの輸入価格と輸出戦略

見てみた野菜の価格:高騰する葉野菜の価格(前編)のなかで日本は「キャベツ」を過去3年間は継続的に輸入していて、その輸入価格は一貫して東京大田市場の月中平均市場価格よりも安いことがわかりました。しかし、その輸入価格は輸入量と取引価格の加重平均であったため、今回は輸入国ごとにキャベツの価格を見ていきたいと思います。
中国以外の国については必ずしも毎月輸入をしているわけではありませんので十分なデータとは言えないかもしれませんが、多少の無理を承知した上で比較してみたいと思います。

群を抜く中国からのキャベツ輸入量

輸入比率のトップは中国であり、継続的に日本に輸出していると同時にその比率は他国を大きく引き離しています。そのため、中国からの輸入価格が月中平均の輸入価格に反映されていました。


低価格路線の中国・韓国

中国は一貫して、かつ、安定した低価格にて「キャベツ」を輸出しています。しかも、日本の「キャベツ」の価格変動に対しても一切反応する様子が見られません。
韓国も一貫して大田市場の市場価格よりも安い価格で輸出を行っています。数か月ほど価格が高騰した時期もありますが、それでも大田市場における月中平均価格よりは低い価格で輸出していました。

高価格路線(?)のフランスと価格追随型(?)の他国

フランスは3年間のうち9か月しか輸入実績がなく、かつ、その量も非常に少ないことから一概に決めつけることはできませんが、大田市場の価格の2~3倍の価格となっています。高品質嗜好の消費者に的を絞った、日本も含めた他国とは一線を画した戦略なのかもしれません。
消費者のWillingness To Payが見極められているのであれば非常に効果的な戦略と言えるのではないでしょうか?

米国・オーストラリア・台湾は価格追随型と言えるのではないでしょうか?日本産の「キャベツ」と比べて「価値・品質」に遜色がなく、かつ、コスト面からも見合う場合には一つの戦略と言えるのではないでしょうか。

どうする日本の輸出戦略

今まで3つの類型を見てみましたが、日本の輸出戦略としてはどれが相応しいのでしょうか?もちろん「キャベツ」だけにはこだわりませんが。

中国のように40円/kg程度の単価で「キャベツ」を継続的に生産して収益をあげていくためには、かなりの努力が必要とされます。
農家さんは技術を用いた省力化により生産コストを抑えるために日々努力されており、更なる競争力の強化が期待できますが、他の農業大国のように1農家あたりの農地面積が桁外れて広い農家に対抗していくには厳しいものがあるのではないでしょうか?農業技術の革新が目覚ましい昨今ですが、それらの技術を用いた省力化は広大な農地経営をしいる農業大国の方によりおおきなメリットとして作用しがちです。

一方、日本には品種改良などによる商品開発力がありますし、また、非常に「きめ」の細かい農作業サービスを得意としています。
そのように考えると日本はWillingness To Payを見極めた高価格戦略をとっていく必要があるのではないでしょうか?
そのような場合においては、「消費者の求める価値」が何かを正しく把握して(マーティング)、自らが価格設定を試行錯誤しながら見つけていくこと(Price Discovery)への挑戦が必要とされてきます。
それらの行動は、「規格化された野菜」、しかもその「規格」は生産者と消費者の間にいる「日本国内における流通側」の便のためのものですが、を単に「供給する」ことや、販売時の価格を生産者自身が設定せずに「値付けしてもらう」こととは180度違った行動が必要とされます。

 

見てみた野菜の価格:高騰する葉野菜の価格(後編)

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