管理栄養士が書く:がんと栄養素(後編)

野菜はさまざまな種類を毎食食べる、果物は毎日食べるを習慣化

野菜や果物には多種の成分が含まれ、その中には、がんのリスクを下げる可能性があることが示唆されている成分もあります。野菜や果物の色、香り、味などがそれぞれ異なるように、含有する成分の特徴も異なります。現在のところ、これを摂っていれば確実にがんを予防できるという単一の食品成分は見つかっていないため、がんのリスクを下げる可能性がある成分を満遍なく定期的に摂取するという観点から、さまざまな種類の野菜や果物を摂取することが大切になります。
さらに、それら成分の体内での活性は一定時間内で消滅するため、野菜は毎食、果物は毎日、摂取する習慣をつけることががん予防につながります。

摂取するときの工夫として、
1.よく洗い、野菜や果物に付着したさまざまな化学物質などを摂取しない
2.野菜や果物の成分は加工により減退、消滅することがあるため、できる限り未加工のもので充足させる
3.消化吸収することが難しい野菜や果物中の成分をより多く体内に取り込むためによく噛んでゆっくり食べる
4.野菜を食べるための調味料が多くならないように気をつける
などがあげられます。

食品はできるだけ新鮮、未加工、未精製のものを選ぶ

食品は保存、加工、精製により含有成分が変化することもあり、がんのリスクが低下する可能性がある成分は減少することが多く、リスクが上昇する可能性がある成分が増加するなど、新たに生成することがあります。
食品は鮮度が高いうちに食べられる、その土地の旬の食材などを選び、調理することをお勧めします。

食事を楽しむ

ストレスを溜め込まないこともがん予防にとって大切なことです。美味しく身体が喜ぶものを食べ、日々の食事を楽しみ、身体も心も満足する生活を送ってください。

がんと診断されてからの栄養

がんと診断されてからの食生活は治療を受けている医療施設の指示に従うことが基本です。それを踏まえたうえで、特別な指示がない場合は、無理をせず体の調子に合わせて、食べられるものから食べるようにすることが大切です。特に食欲の低下や、あまり食べられないような時期は食べられるときにすぐに食事ができるよう軽食を準備しておくことも工夫のひとつです。
食欲があり、食事も比較的できる場合には再発予防として「がん予防と栄養」に準拠し、一日三食、偏らずバランスのよい食事を適量食べることが基本となります。

 

管理栄養士が書く:がんと栄養素(前編)

 

執筆・編集 中村学園大学 大部 正代    小野 美咲
http://www.nakamura-u.ac.jp/

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