スポーツ栄養士による:ジュニア期アスリートの栄養(前編)

 

ジュニア期アスリートの特徴

学童期や思春期にあたるジュニア期は骨や筋肉が著しく成長する時期であり、一生のうちでエネルギーと栄養素の最も必要となる時期です。ジュニア期の最大の特徴は、日々「成長している」ことです。さらに、ジュニア選手では、日々のハードなトレーニングの分多くのエネルギーを消費します。したがって、ジュニア選手では、成長に必要な量に加えトレーニングに必要なエネルギーや栄養素量が必要となります。
オリンピックなどの世界大会で活躍するトップ選手は、幼少期から競技を始め10歳代には既に世界中を飛びまわる選手が多くいます。

ジュニア選手が将来トップ選手として活躍していくためには、

①健全な発育・発達をするための食生活をおくること
②日常のトレーニングに耐え、競技力を向上する体をつくる食生活をおくること
③試合や遠征などの自宅とは違う環境でも望ましい食生活を行える自己管理能力を身につけること

など食事・栄養面での課題もクリアしていく必要があります。

ジュニア期アスリートの食事・栄養をサポートする立場での留意点

競技の現場で選手や保護者から「〇〇競技で勝てる食事は何か」「試合前の食事をどうしたらよいか」といった、食事に即効性の効果を期待されたご質問を頻繁に頂きます。
しかし、実際は日々のトレーニングをしっかり行えるだけのエネルギー量を摂ってきたか、試合に向けた身体づくりやコンディショニングのための栄養摂取を行ってきたかといった様々な面からの長期的な食事計画が重要です。また、ジュニア選手のエネルギーや栄養素の必要量は、身体の大きさ、成長の速度、性別、競技による運動量の差など個人差も大きく、どのくらいの量が必要かを決めることはとても困難です。すなわち、「これぞジュニア選手に必要な栄養素量」というひとくくりで食事の献立を示すことはできません。

ジュニア期は、成長の段階と日々のトレーニングの両方を視野に入れた栄養管理が必要です。
慢性的にエネルギーや栄養素の摂取が不足した場合には、身長の発育や思春期の遅延、骨密度の低下など傷害の発生につながるリスクを生じる可能性が高くなり、競技人生だけでなく大人になってからの健康にまでも影響を及ぼします。
そのため、まずはエネルギー摂取量の不足(または摂り過ぎ)とならないように心がけることが大切であり、加えて、エネルギーや栄養素を代謝するのに必要なビタミンやミネラルを充足できるよう栄養補給に目を配るといった、食事の「量」と「質」の双方を考えることが重要です。
特に、ジュニア選手では、スポーツを行っていない子どもと比べて鉄、亜鉛、カルシウムの必要量が増すことが知られています。(1)

 

スポーツ栄養士による:ジュニア期アスリートの栄養(後編)

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