市場参加者:仲卸 に聞く(その3)

青果についての「値付け」では、主流である市場内「相対取引」が需給を基に決定されていることがわかりましたが、価格決定権者としてパワーを持っているのは誰なのか、また何故なのかについてお伺いしました。

<Q>昨今の天災・気候変動に伴う青果物の価格の変動は仲卸業者の経営にとってどのような影響を与えているのでしょうか?
気候変動に伴う作況の良し悪しは年々顕著になり、その青果物の価格への影響が大きくなっています。仲卸が将来の価格を予測し納品価格を決定し、その価格変動リスクを負うといった仕組みの中では、より経営を圧迫する要因となっています。また、出荷元ー大卸ー仲卸ー小売業者の流通経路参加者の中では仲卸の立場が非常に弱いために、仲卸に一番そのしわ寄せがきているのではないかと思っています。

<Q>仲卸の立場が弱い理由は何故なのでしょうか?
商品搬入の際の利便性から仲卸の大卸からの仕入れ比率が高いことが挙げられます。また、市場という閉鎖的な場所で取引しているために、その仕入れ先の選択肢が限定されていることもその要因です。(※)
一方、小売業者は他の仲卸からも仕入れることが可能であり(※)、さらには他市場からも仕入れることも可能です。
取引先の選択肢を「持っている側」と「持っていない側」の間で生じる優位性がこの状況を作り出していると考えられます。

※ : 大田市場の大卸業者数は4社、仲卸業者数は160社強

<Q>実質的な価格決定権は誰なのでしょうか?
小売業者がかなりの価格決定権を握っています。特に、生産者不在の中で、例えば希望小売価格が無いところで、需給バランスのみにより価格が決定されることに大きな問題があるのではないかと考えています。供給量が需要量を上回っている場合に、これはどうしても価格を下げざるを得ないのですが、その場合にどこまで下げるかという判断について生産者不在であるため、当然買い手のパワーに押されてしまうために価格の低下圧力に対する歯止めがききづらいです。
ただ、生産者もJAと市場に依存しているために選択肢がないということでは、同様の状況なのかもしれません。

<Q>市場の情報発信のところでもありましたが需要の喚起も重要だと思うのですが、最近人気の機能性野菜はその価値をうまくアピールしているように思いますが?
「体に良い」、「高栄養価」というキーワードで消費者にアピールしている点については非常に受け入れられやすく売りやすいのではないかと思っています。
弊社でも小売業者が消費者に売りやすい、すなわちアピールできる商品の提案をする必要があると考えています。

<Q>市場経由の野菜ですと産地・品目・規格で識別されていますが、どういった点をアピールされていこうと考えられてますか?
野菜が食材である以上は、やはり「食味」、つまり「おいしさ」が1番であると考えています。
そして、「安全」な食材であること。
また、最近は安いというだけで消費者にアピールできる時代ではなく、「もの」を売るというよりは「こと」を売る時代となっていますので、「ストーリー」だと考えています。すなわち、「顔の見える」とか「伝統のある産地の」といったストーリーによって商品を差別化していくことだと考えています。

<Q>規格(※ サイズ・形状・色み)についてですが、いつ、どこで決定されたものなのでしょうか?
商品にもよるかと思いますが、戦後スーパーマーケットが発達していくとともに効率的な物流が必要とされる仕組みの中で出来上がってきたものだと思っています。
バーコード管理によるセルフサービス方式のスーパーマーケットでは、いかに野菜の個体差を無くして価格差をなくすか、いかに効率的に棚に商品を陳列するかということが重視されますから。かつての八百屋さんは、「こっちの野菜」の方が「隣にある野菜」より小さいのに「なぜ、値段が一緒なのか?」といったような顧客の問い合わせに個別に対応していましたから。
また、効率よく大量に商品を流通する上では、規格化することによって梱包する際に隙間なく決められた数量を詰め込むことができますから。

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市場参加者:仲卸 に聞く(その4)

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