管理栄養士が見た:長寿の県No.1 【長野県の食事】 (後編)

管理栄養士が見た:長寿の県No.1 【長野県の食事】 (前編)

健康づくりと食育

長野県では健康づくり県民運動「ACE(エース)プロジェクト 」(※)という取り組みがあります。
「健康に食べること」が実践できるように、健康に配慮した食環境や地域の食生活改善の取り組みを推進しています。生活習慣病の予備軍、対象者の減少やバランスのとれた食事をする人を増やすことを目標に掲げコンビニやスーパー、飲食店等連携して塩分や野菜の量に配慮したACE弁当、メニューの提供に手掛けているようです。

※ ACEプロジェクト:生活習慣病予防に効果のあるAction(体を動かす)、Check(検診を受ける)、Eat(健康に食べる)ことで世界で一番(ACE)の健康長寿を目指す県民運動

①健康づくり応援弁当
長野県とセブンイレブンジャパンが共同し開発した信州ACE弁当、その他イオン、ザ・ビックをはじめとする約708店でのオリジナル商品の開発も手掛けています。
主食・主菜・副菜がそろえ、野菜の摂取量を140g以上、食塩相当量3g未満、長野県の食材を使用した1つあたり500kcal~700kcalの栄養成分表示をつけ、地域住民も健康意識を高めるよう基準を設けました。この取り組みは県下各地域に広がり、近年では企業だけでなく県内の大学生もお弁当メニューの考案に携わったお弁当を実際に提供しているところもあります。

②信州食育発信3つの星レストラン
ある一定の条件を満たした「健康メニュー」を1種類以上満たし、積極的に地元食材を使っていることや郷土食の提供、食べ残しを減らすための取り組みを行っている飲食店のことを言います。現在登録数は112店にもおよび、道の駅も登録店舗としてヘルシーメニューの提供を始めました。
信州の食材を使ったヘルシーメニューを身近に触れることのできる環境を作り、人々の健康意識を高めるきっかけづくりを目指しています。

③野菜たっぷり・減塩キャンペーン
野菜の摂取量は全国平均を上回っていますが、20~49歳では男女とも約8割の人が目標量に達していないことから、H25年度より地域住民を対象に食文化を大切にしつつ改善を加え、さらなる健康長寿が保てるようキャンペーンをスーパー等の住民に身近な場所で開催しています。

その他地域の課題に応じた食生活の改善

①県民減塩運動

②日本型食生活推進事業

③がん予防のための食生活改善事業
など、こうした取り組みは医療機関のみならず、県を挙げた住民全体で行われ、日頃の食生活の中で塩分を控えるように心がける人、野菜を多く食べるよう心掛けている人が多くなり県民の意識の変化がみられるようになりました
また長野県の県民調査ではエネルギーや脂質、さらに食塩のとりすぎを気にかける意識が広まり、外食時や食品購入の際には栄養成分表示を全く参考にしない人の割合も少しずつではありますが減少してきています。

長野県が長寿の県と言われるようになったのは多くの“県民が実践できる”をキーワードとして、食生活と栄養の知識とそれを実践的に毎日の食生活に生かせるよう県全体で取り組んできたことが一番の要因だと思います。

執筆・編集 中村学園大学 大部 正代
http://www.nakamura-u.ac.jp/

参考文献
H25年国民健康・栄養調査
H25年県民健康・栄養調査(長野県)
H22年県民健康・栄養調査(長野県)
園原規子(2015) 長野県の健康づくりを支えてきた栄養士会の活動
日本栄養士会雑誌58 No.6 417-420
農文協(2006) 伝承写真館 日本の食文化 日本の食文化05甲信越(新潟、山梨、長野)農山漁村文化協会
厚生労働省 長野県における食育の取り組概要~主な指標と事業の概要~

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