見てみた野菜の価格:「ほうれん草」 旬の市場価格

 

最近は一年を通して野菜が手に入るようになり「旬がなくなった」とよく言われます。昔から「旬」の野菜は味も濃く、栄養価も高いと言われていますし、何といっても季節を感じられる食卓の主役です。今回もスーパーマーケットなどの小売業者の仕入れ値となる市場価格、その中でも東京中央卸売市場の価格の観点から「野菜の旬」を見てみました。

「旬の野菜」はお得

今回とりあげる野菜は「ほうれん草」です。「ほうれん草」の本来の旬は秋播きの11月~1月であり、抗酸化作用のあるβカロテン・ビタミンCのほか、鉄分・カリウム・マンガンなどのミネラルも豊富な野菜です。また、冬取れの「ほうれん草」は夏に収穫されたものと比べてもビタミンの量が3倍もあると言われています。以下のグラフは、農林水産省ホームページ内の青果物卸売市場調査(旬別卸売数量・価格動向)の2015年1月~2017年9月までのデータをもとに作成したものです。

赤枠が「旬」の時期である11月~1月、紫枠が春播きの収穫時期に当たる4/下旬~6/上旬です。

2015年冬 – 夏 – 冬 – 2016年秋 – 2017年冬 – 夏と、旬 – 端境期の繰り返しで見てみると
540円 – 970円 – 280円 – 1190円 – 440円 – 890円
と、価格が乱高下していることが見て取れました。乱高下している理由については前回記事 見てみた野菜の価格:「じゃがいも」 乱高下する市場価格 をお読み下さい。

「旬」の時期は価格が低く、端境期が逆に高いこと、そして「ほうれん草」の価格が入荷量に反比例して値付けされていることがわかりました。需給要因によって価格が決まっている「ほうれん草」は、収穫量が多く・栄養価が高い「旬」の時に買うのがお得そうですね。
2017年の夏は過去の2年間と比較して多少安く取引されていましたが、次の「旬」の価格はどうなるのでしょう?ちなみに、農林水産省の野菜の生育状況及び価格見通し(平成29年10月)によれば、主な生産地である群馬・茨城・栃木の各県での生育状況は平年並みであるため出荷量・価格とも平年並みと予想されています。

データ取得元: https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC030SC003-Evt001.do

「旬」はあった

一年を通して手にしている野菜、「旬」でない時には高い対価を支払って入手していることとなるので、価格の観点からみると「旬」はあったと言えます。私たちが年間を通じて「ほうれん草」を店頭で目にしているのは、一定量を供給している生産者と、野菜の品揃え・数量確保を重視するスーパーマーケットなど量販店の仕入れ行動、ひいてはそれを購入する消費者がいるからです。それが青果物の価格決定メカニズムの中で述べている「需要の価格弾力性の低下」の一要因なのです。

最後に、「くり」についてのグラフも掲載します。市場入荷が無いときは全く無い状況となっており、年間を通して市場から手に入れることはできず、「旬」ではない時期には目にすることもあまりないことから「旬」を感じさせる青果物かもしれません。しかし、毎年7月~8月と10月~12月を見てみると、「くり」の価格も「ほうれん草」同様に入荷量に反比例して値付けされていることがわかります。

データ取得元: https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC030SC003-Evt001.do

 

見てみた野菜の価格:「じゃがいも」 乱高下する市場価格

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