【まとめ】見てみた野菜の価格

青果物の価格決定メカニズムでは青果物の市場価格の変動が大きいこと、またその背景として価格決定権が買い手である量販店に握られていて、かつ、その量販店が品揃えを重視していることがあることについて見てきました。そこで、いくつかの青果物について実際の市場価格や小売り価格について見てみました。その結果、市場価格は需給関係のみにより決定がなされていること、また各市場での市場価格は東京大田市場での市場価格に連動していること、そしてその値動きが非常に激しいことがわかりました。
「安く」ても売られてしまう、「高く」ても買われることがある青果物、実はその値動きの不安定さが生産者農家さんの安定経営を阻害しているのではないでしょうか?
また、青果物の「価値」が反映されない価格形成はおかしいと思いませんか?

見てみた野菜の価格:「じゃがいも」 乱高下する市場価格

天候不順や天災があると、「野菜価格が昨年と比べて1.3倍に」などとニュースで取り上げられます。しかし都度都度取り上げられるものなので、「ふーん、そうなのかぁ」と終わっているのではないでしょうか?そこで今回は、スーパーマーケットなどの小売業者の仕入れ値となる市場価格、その中から東京中央卸売市場の5月から9月について過去三年間の「じゃがいも」の実際の価格の動きを見てみました。需給状況により価格が乱高下していること、そして「じゃがいもの価値」が反映されていないことが見て取れます。

見てみた野菜の価格:「ほうれん草」 旬の市場価格

昔から「旬」の野菜は味も濃く、栄養価も高いと言われていますし、何といっても季節を感じられる食卓の主役です。今回も東京中央卸売市場の市場価格から「野菜の旬」を見てみました。その結果、「旬」の価値が価格に反映されていないこと。それどころか、供給量が多いために、逆に「安い」価格で取引されていることが見えてきました。「お買い得」といえば「お買い得」ですが、「端境期」に「高い」価格で取引されている「ほうれん草」ってどうなんでしょうか?

見てみた野菜の価格:小売価格は市場価格の「倍」(前編)

「ほうれん草」、「にんじん」、「玉ねぎ」、「だいこん」、「じゃがいも」、「トマト」の小売価格を「仲卸・小売業者」、「大卸、JA」、「生産者農家」への還元額に分解してみました。
小売価格の約50%程度が市場で取引される市場価格であり、そこから市場の大卸・JAそして生産者が還元を受けています。また約50%が仲卸業者、小売り業者の経費・収益となっています。また、市場価格が変動すれば、それにつれて小売価格も連動して上下します。今まで見てきた市場価格の値動きの不安定さは、私たち消費者が購入する際の小売価格に反映されています。

見てみた野菜の価格:小売価格は市場価格の「倍」(後編)

「なす」、「レタス」、「ねぎ」、「きゅうり」、「ピーマン」、「はくさい」の小売価格を「仲卸・小売業者」、「大卸、JA」、「生産者農家」への還元額に分解してみました。今回は、非常に粗い見積もりながらも、「仲卸・小売業者」への還元額を、東京中央卸売市場の仲卸の経営指標を基に更に分けてみました。仲卸業者は小売価格の約7%をマージンとしていると推察されるのですが、それでも経営状況が厳しい実態が見えてきました。青果物のサプライチェーンでも見てきましたが、青果市場において中小規模経営で経営状況の厳しい仲卸が乱立し、60%の買い手である大手量販店を取引相手とする現状では、どうしてもBuyingPowerが強くなり価格決定権が買い手に握られてしまい、「青果物の価値」を見定めた価格形成が困難なものとなってしまいます。

見てみた野菜の価格:「ほうれん草」 小売価格_都市別比較

「ほうれん草」の約80都市の小売価格を比較してみました。まずは、東京・名古屋・大阪そして長野の小売価格を全国平均と比較してみると、名古屋・大阪は概して全国平均を上回っていることがわかりました。また、「旬」の時期には札幌・旭川・宇部での価格が高く、足利・佐倉・横須賀での価格が安いこと、また「端境期」では北九州・宮崎での価格が高く盛岡・水戸・佐倉・横須賀での価格が安いことがわかりました。そこで、福岡市中央市場・北九州市中央市場の入荷量と市場価格を東京大田市場のそれらと比較すると、入荷量がはるかに少なく、市場価格が既に高くなっていることがわかりました。

見てみた野菜の価格:「だいこん」 小売価格_都市別比較

2015年8月に厚生労働省が発表した結果によれば、日本人が一番食べている野菜は「だいこん」です。2015年1月から2017年8月までの約80都市の「だいこん」の小売価格の平均を見てみると、129円からその1.6倍にあたる203円(円/kg)の価格の幅があることがわかりました。長野・山口・佐賀・鹿児島の平均小売価格が安いこと、そして大津・相模原・新潟・高知・長岡・和歌山での平均小売価格が高いことがわかりました。大根の市場向け出荷量は千葉県・北海道・青森県・神奈川県・鹿児島県がトップ5ですが、東京・横浜の卸売市場に全国の約80%の大根が集まってきており、その中でも東京大田市場の価格は全国市場の指標価格とされているのですが、他の中央市場での値動きは大田市場の値動きを比較すると連動していることがよくわかりました。各市場での需給状況は大田市場の需給状況と同じなのでしょうか?それとも、大田市場の価格を参考にしながら決められているのでしょうか?

見てみた野菜の価格:「にんじん」の値動きは株式の6倍

2015年8月に厚生労働省が発表した結果によれば、たくさんの日本人(数)に食べられている野菜は「にんじん」です。2015年1月から2017年8月までの約80都市の「にんじん」の小売価格について、今回は値動きの激しい都市を見てみました。その結果、盛岡・鹿児島市は比較的値動きが安定しているのに対して、浦安・八王子・東大阪市の値動きが激しいことがわかりました。そこで、そもそもの市場価格について、他の市場商品である株式の価格と値動きの激しさを比較してみました。

見てみた野菜の価格:高騰する葉野菜の価格(前編)

2017年の秋の長雨と台風の影響により高騰する葉野菜の価格。レタスについては、1か月で価格が4倍にも高騰しています。大田市場ではレタスの入荷量が半減していた事実があります。キャベツの価格も高騰していますが、レタスほど品薄感が感じられません。キャベツにはレタス代替品としての需要があったのでしょうか?

見てみた野菜の価格:高騰する葉野菜の価格(後編)

2017年の秋の長雨と台風の影響により高騰する葉野菜の価格。白菜は値段が高騰しているものの、大田市場の入荷量が前年同月比では増えていた事実があります。キャベツ同様にレタス代替品としての需要による値上がりがあったのでしょうか?一方、同じく値上がりしているほうれん草ですが、入荷量の減少に伴う価格上昇のようにも見えます。

見てみた野菜の価格:キャベツの輸入価格と輸出戦略

2017年の年末年始は葉物野菜が急騰していましたが、特に2018/1月には「キャベツ」の輸入量も急増しています。各国からの輸入単価から、いくつかの類型に分類してみるとともに、日本が今後とるべき輸出戦略についても考えてみました。

 

Leave a Response