食材の価格:栄養価という価格決定要因(その4)

前回記事:食材の価格:栄養価という価格決定要因(その3)

制度疲労を起こしている保険制度、それを支える国の健全とは言えない財政状況、そして今後予想される医療費増加と地域間人口格差、今後どのような打開策があるのでしょうか?主な議論について取り上げてみましたが、いずれにしても私たちの、あるいは誰かの追加負担なしには立ち行かない状況です。

国民皆保険制度保持のための議論

そのような厳しい状況にある保険システムですが、その対応について検討されている主な打開策には以下のものがあります。

1.全世代の直接的負担増加

全員で医療保険システムの負担を共有する方法が考えられます。具体的には、保険料率の一斉引き上げとなります。しかしながら世代間での公平性を考慮すると一筋縄ではいきそうもありません。なぜなら、将来の若年者世代はより多くの高齢者を支えることとなっているために相対的な負担が多くのしかかるためです。また、将来の給付である年金支給額についても、将来の若年者の受け取り額が少なることも予想されており、収支両面から見た場合に世代間のより大きな不公平負担を強いることとなってしまうためです。

2.医療サービスを受ける人の負担増加

保険の適用範囲の縮小と患者負担増加を図り、患者として医療サービスを受ける人の負担を強いる方策です。サービスを受ける人が、より負担するというという点では、より公平感があると思われます。但し、その際には医療サービスへのアクセスのハードルがあがるために、経済的弱者に対するセーフティーネットの新たな仕組み、もしくは現在でも実施している収入金額による段階的な実費負担割合の更なる見直しが必要となります。

3.医療費の抑制
      • 診療報酬費本体の削減

日本の場合、診療報酬は中央社会保険医療協議会が政府の決めた改定率に基づく診療報酬財源に対し答申することで決められています。そこで、その診療報酬財源を削減することで医療費の抑制を図る方策です。医療機関・製薬業などの医療関連業の民間企業化を促すため、効率化・利潤重視経営の傾向を生み出してしまい、赤字分野からの撤退など最終的には患者である私たちに”つけ”が回ってくる可能性が否めません。

      • オーソライズド・ジェネリック医薬品、ジェネリック医薬品への代替

新薬販売会社がその有効成分特許権を認可した結果、認可された他社が提供できるものがオーソライズド・ジェネリック医薬品であり、特許切れ以前に販売されるものです。特許切れ医薬品について他社が提供できる医薬品がジェネリック医薬品であり、ともに新薬よりも安価に提供されます。現在、厚生労働省が力を入れている分野の一つです。

      • 在宅医療制度の確立

患者の意向もあり、また医療費のうちの入院治療費を抑制するためにも、当制度の確立が検討されています。しかしながら、受け入れ家族の経済的負担・人的負担を減らす方策が必要です。

食材の価格:栄養価という価格決定要因(その5)

Leave a Response