脳を動かす栄養素 Run your Brain

私たちの脳は体重の約2%の重さしかないにもかかわらず、私たちが必要とする全エネルギーの20%程度を消費しています。脳は私たちが生きている間、一時も休むことなく、一瞬のためらいもなく正確に働いています。脳は様々な機能を司っていますが、その中でも、様々な体の部位から発信された情報を取得し、判断を下し、その判断結果に基づく司令をしかるべき部位に伝えている内容について見てみます。

情報伝達の仕組み

脳は神経細胞でできていて、全部で1千数百億個あるとも言われています。その神経細胞には樹状突起と軸索と呼ばれる2本の手があり、樹状突起は他の神経細胞から情報を受け取り、軸索は他の神経細胞へ情報を送っています。そして、その先端はシナプスと呼ばれ、他の神経細胞とつながっています。(正確には20-30ナノメートルのシナプス間隙という隙間があるため、つながってはいないのですが。)そして、自ら受け取った情報を電気信号(活動電位と言います)により伝達処理し、そのシナプスの中にある神経伝達物質を次の神経細胞へ引き渡すことで自身の情報を連携していきます。

電気信号(活動電位)とは

細胞膜の外側・内側にはイオン(電気を帯びた原子)があり、プラスの電気を帯びたナトリウムイオンやカリウムイオン、マイナスの電子を帯びた塩素イオンなどがあります。

通常、細胞膜の内側にはカリウムイオンが多く、外側にはナトリウムイオンが多くなっていて、また細胞膜にはそれぞれのイオンだけが通れる開閉式の穴があります。

何らかの情報により神経細胞が刺激されると、プラスの電気を帯びたカリウムイオンが細胞の外に排出され、細胞膜の内側がマイナスとなり、次にナトリウム用の穴が開きナトリウムイオンが細胞膜の中に入ってくるということが連鎖的に起こり、活動電位が起きるのです。そのスピードは軸索の太さにより異なり、早い場合には120m/秒、遅いものでは50㎝/秒となります。

脳の活動のために大量のエネルギーが必要な理由が納得できます。

また、私たちの体に必要なミネラルのナトリウムとカリウムが大事な役目を果たしていることがわかりました。私たちの体にストレスをなくそれらのミネラルが十分な働きをするためには、そのバランスも大事なのです。

糖分だけがエネルギー源

私たちの体の中ではエネルギーの源であるATP(アデノシン三リン酸)を生成する必要があります。その生成方法には、糖分をもととして生成する方法と脂肪も含めて生成する方法の2種類があり、脂肪も含めて生成する方法の方がより高エネルギーを生み出します。

しかしながら、脳では糖分をもととしたエネルギー生成方法がとられています。

  • 一部脂肪酸を脳内に入れない仕組み
    脳には血液脳関門というものがあり、本来、脳にとって必要なものは通過でき、不要なものは通過できない仕組みとなっています。その血液脳関門はブドウ糖・アミノ酸・ビタミン・ミネラルは通過させるものの、一部の脂肪酸は通さないようになっています。よって、脳では糖分を基にエネルギー生成する仕組みができていると考えられています。なおその一方で、アルコール・ニコチン・カフェインなどは通過してしまいます。

エネルギー源である糖分の摂取不足が起きると、脳の機能が低下するために、集中力の低下、いらいら、疲労など様々な症状を引き起こしてしまいます。

糖分からエネルギー生成する仕組み

エネルギー源はATP(アデノシン三リン酸)はアデノシン、糖、そしてリン酸の3つからなるものです。ATPは不安定な状態にある物質であり、水(H2O)と交わることにより、リン酸が1つはずれたADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に変化します。その際に放出されるエネルギーを私たち(の細胞)は利用しているのです。

ATPは私たちの細胞の中では以下の3工程を経て生成されます。

<第1工程:グルコース→ピルビン酸>

細胞系基質で起きる工程であり、炭水化物内の糖が体内に取り込まれる際の最終形のグルコースがピルビン酸に、そして乳酸へと分解していきます。その途中のピルビン酸を細胞基質からミトコンドリアへ引き渡します。

<第2程:ピルビン酸→NADH>

ミトコンドリア内でピルビン酸は様々酵素の働きかけにより、アセチルCoAに変化します。そしてクエン酸回路に送られ、NADHという電子伝達物質を生成します。

<最終工程:NADHによりADP→ATP>

NADHの電子伝達系を通して発するエネルギーにより、ADPとリン酸からATPを生成します。そしてATPからエネルギーが使用されるとADPとなるので、ADPの再利用が起きています。

ADP+リン酸+電子伝達系エネルギー→ATP

ATP+水→ADP+リン酸+利用エネルギー

ADP+リン酸+電子伝達系エネルギー→ATP

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