6大栄養素【タンパク質】

タンパク質は炭水化物・脂質と並んで三大栄養素の一つです。

1. たんぱく質の体内での役割
人の体は10万種類以上のタンパク質で構成されています。タンパク質は筋肉、骨、皮膚、髪、血液などの体を構成する主成分、またホルモンや酵素、免疫物質などの材料にもなっており、様々な生理機能に重要な役割をもっています。
極端に不足した場合には、筋肉など体内のタンパク質を分解して不足分を補おうと体が作用するため、筋肉量が減って体力が落ちる、疲れやすくなるなど、また免疫力を高める効果や、脳の働きを活性化させる効果も低下します。
体内ではタンパク質は絶えず代謝されており、タンパク質の合成と分解が繰り返されています。細胞内および体内のタンパク質の貯留、損失は、タンパク質の合成と分解のバランスに依存しています。

2. タンパク質の吸収
タンパク質はまず、胃でペプシンにより消化され、ペプチドとなり、十二指腸に送られます。タンパク質やペプチドが送られてくると、十二指腸粘膜にある内分泌細胞からコレシストキニンが分泌され、膵液の分泌を行い、膵液中のトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼといったタンパク質消化酵素によって、オリゴペプチドと呼ばれるアミノ酸が数個結合した状態にまで分解されます。消化によって生成するのは、ジペプチドやトリペプチドでその後細胞内に入ります。その間、微絨毛膜にある終末消化酵素や細胞質内にあるペプチダーゼによりアミノ酸まで分解されます。大部分のアミノ酸は速やかに吸収され、門脈から肝臓および全身の細胞へと運ばれていき、体内へと吸収されます。

3. 必須アミノ酸・アミノ酸スコア
タンパク質をつくっているのがアミノ酸で、人が必要とするアミノ酸は20種類のアミノ酸です。このアミノ酸の中には、体内で合成することができないアミノ酸があり「必須アミノ酸」といいます。必須アミノ酸はトレオニン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンと呼ばれる9種類があります。これ以外の11種類のアミノ酸は非必須アミノ酸と呼ばれ、グルコースや必須アミノ酸から体内で合成されます。

タンパク質を食品として摂取する場合に、その成分である必須アミノ酸組成が人の必要とするアミノ酸バランスに近く、十分に消化されるものであれば栄養価の高い優れたタンパク質であるといえます。
タンパク質の栄養価を評価する方法として、アミノ酸スコアがあります。
これは基準となる必須アミノ酸含量のパターン(アミノ酸評点パターン)と食品タンパク質の必須アミノ酸パターンを比較して、食品のタンパク質栄養価を評価する方法です。食品タンパク質の各アミノ酸含量を評点パターンと比べて、それよりも低い値のアミノ酸を制限アミノ酸と呼びます。また、その比率が最も小さいものを第1制限アミノ酸と呼び、一般的に動物性タンパク質ではアミノ酸価が100で制限アミノ酸を含まないものが多いですが、植物性タンパク質では制限アミノ酸を含むものが多いです。
制限アミノ酸がある場合、そのアミノ酸を食品に添加することにより、食品タンパク質の栄養価を改善することができます。これをアミノ酸の補足効果といいます。制限アミノ酸として知られているものは、穀類ではリシンとトレオニン、豆類ではメチオニンとトリプトファンがあります。しかし食事でこれらの食品を組み合わせて摂取することによりアミノ酸の補足効果を得ることができます。これはタンパク質の栄養価を改善する有用な方法です。

執筆・編集 中村学園大学 大部 正代
http://www.nakamura-u.ac.jp/

6大栄養素【炭水化物・糖質】
6大栄養素【脂質】
6大栄養素【ビタミン】
6大栄養素【ミネラル】
6大栄養素【食物繊維】
機能性栄養素の種類と効能について

(参考文献)
1. 健康・栄養科学シリーズ 基礎栄養学 改訂第4版 南江堂
2. 新版 基礎栄養学 栄養素のはたらきを理解するために
3. からだの成り立ちと食べ物 臨床栄養学の基礎

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