食材の価格:青果物のサプライチェーン(その4)

前回記事:食材の価格:青果物のサプライチェーン(その3)

 

以前小売店が市場ではパワーを持っていると書きましたが、野菜の値段を決めているのは市場にいる大卸と仲卸の間で決めているはずなのに何故そうなっているのでしょうか?
中小規模経営の多い仲卸に対して量販店が大口取引先であること、規格化され差別化しずらい野菜を取引していることから、市場外にいる小売店のBuyingPowerのしわ寄せが市場に来ていることがわかりました。生産者である農家さんが価格決定権を取り戻すためには、野菜の「価値」をしっかりと考え「希望小売価格」を提示しないと、そのしわ寄せが今度は農家さんに行ってしまいます。

市場経由取引青果の価格決定権はどこに?

まず仲卸の経営状況を見てみると、非常に厳しい状況にあることがわかります。ここでは、全国の卸売市場の20%弱の取引を行っている東京中央卸売市場について、当市場のデータをもとに見てみます。
<減少する仲卸業者数>

<小規模・中規模業者が多数>

<厳しい経営状況にある仲卸業者が多数>

<仲卸の経営状況が厳しい理由>

市場経由の青果は規格化されているため、仲卸がその買い手に明確に差別化されたサービスを提供することが非常に困難であることが挙げられます。また青果は基本的に保存がきかないために、仲卸は当日中にそれらを売り切る必要性に迫られています。

一方、量販店は仲卸の売上の60%を占める大口取引先であり、量販店側が経営状況の厳しい多数の小規模・中規模業者の中から取引相手を選択できる状況にあります。また、量販店側も経営状況が厳しいところも多いために、仕入れ値段となる買取価格に対してなかなか妥協できない状況です。そのため、価格に対する低下圧力が強く、仲卸が適正なマージンを取ることが困難な状況です。

<価格決定権者は?>

売り手である仲卸が価格決定権を握ることは難しく、量販店側が価格決定権を握っています。

<生産者への影響>

生産者はPrice Takerとなっています。よって生産者は、小売業者間および仲卸間の過当競争下で量販店主導で決定された価格から複雑な流通経路にかかる経費が差し引かれた残りの金額を取得している構図となっているのです。

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