6大栄養素【炭水化物・糖質】

炭水化物は糖質+食物繊維で構成されています。栄養学上、炭水化物のうち人間が消化不能な食物繊維を除いたものを糖質と呼びます。三大栄養素のひとつです。

糖質は脂質、タンパク質に比べてエネルギーに転換されやすくなっています。そのため糖質の推奨エネルギー比は50~70%と多く、1日のエネルギーの半分を糖質で摂ることが推奨されています。糖質を多く含む食品は、米、パン、うどん、そば、とうもろこしなどの穀類、さつまいも、じゃがいもなどのイモ類、バナナ、りんご、ぶどうなどの果物、砂糖を多く含む菓子類などがあります。

糖質はグルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどの単糖類や、単糖類が結合した二糖類やデンプンなどの多糖類などからなり、人が摂取する糖質の大部分は二糖類とデンプンです。
摂取されたデンプンは、唾液や膵液に含まれるアミラーゼという消化酵素によって単糖まで分解されて小腸で吸収されます。吸収されたグルコースは血管に入り、細胞内に取り込まれます。このとき大部分がグリコーゲンとして体内に貯蔵され、グルコースとして存在する量はきわめて少なくなります。グリコーゲンが多く貯蔵されている臓器は肝臓と筋肉です。もっとも高濃度に存在するのは肝臓で、次に筋肉です。しかし身体に占める筋肉量は肝臓に比べて多いので、グリコーゲンの貯蔵量としては筋肉がもっとも多くなります。糖質を摂取すると血中のグルコース濃度が上昇し血糖値が上がります。血糖値が上がるとインスリンの作用によって血中のグルコースが肝臓に取り込まれ、グリコーゲンとなり貯蔵されます。肝臓のグリコーゲンは必要に応じてグルコースに転換されて血中に放出されて、血糖の維持に利用されます。これに対して、筋肉のグリコーゲンは血糖の維持には使われず、筋肉収縮のエネルギー源としてのみ利用されます。脳・神経組織、赤血球、精巣などグルコースしかエネルギー源として利用できない組織もあります。

朝食を欠食するなどして長時間食べ物を摂取しない状況が続くと、肝臓のグリコーゲンが枯渇して血糖値が下がってしまいます。すると、糖質以外の物質である乳酸、アミノ酸などからもグルコースが合成されます。これを糖新生といいます。これに対して糖質の摂取量が多く、肝臓や筋肉で貯蔵できるグリコーゲン量以上であれば、グルコースは脂肪細胞に取り込まれて脂肪酸に合成されて貯蔵脂肪になります。このため、糖質の過剰摂取は糖尿病など生活習慣病と大きく関わってきます。
量的な問題だけでなく、質的な問題にも配慮する必要があります。さらにインスリンには脂肪酸を合成する作用もあるので、インスリンの過剰分泌を抑えることも貯蔵脂肪を増やさないために重要となってきます。しかし、現在糖尿病の食事療法で糖質制限食がクローズアップされていますが、ブドウ糖をエネルギー源としている組織(脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋など)に必要な最少糖質量は130g~150gと言われています。ご飯120g(お茶碗軽く1杯)に糖質約43gが含まれており、1日にご飯120gを3回食することにより最小量の糖質は確保できます。糖質制限を実施するときは、医師や管理栄養士など専門家に相談されることを勧めます。

執筆・編集 中村学園大学 大部 正代
http://www.nakamura-u.ac.jp/

6大栄養素【タンパク質】
6大栄養素【脂質】
6大栄養素【ビタミン】
6大栄養素【ミネラル】
6大栄養素【食物繊維】
機能性栄養素の種類と効能について

(参考文書)
健康・栄養科学シリーズ 基礎栄養学 改訂第4版

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