集中力アップのための食材 Brain Drives You(Ⅰ)

前回見た通り、私たちの脳の中ではシナプス内の神経伝達物質が様々な情報の伝達に作用しています。また、私たちの脳の中に必要となるものは血液脳関門を通過する必要があります。血液脳関門を通過できる物質の中にアミノ酸、ビタミン、ミネラルがありましたが、伝達物質にはアミノ酸自体、あるいはビタミン・ミネラルの助けを借りてアミノ酸が再合成されたものがあります。ここでは、私たちがパフォーマンスを向上するためには、「集中力を高める」とともに「冷静さを保つ」必要があり、それぞれについて伝達物質が作用しています。

集中力を高める伝達物質

私たちが「前向きな」かつ「集中力を高めた」状態で物事に取り組んでいるとき、私たちの脳の中ではドーパミン、あるいはドーパミンから更に生成されるノルアドレナリンという伝達物質が分泌され作用しています。このドーパミンはアミノ酸のフェルアラニンやチロシンをもととして、ビタミンC・ビタミンB6などのビタミンやマグネシウム・マンガン・鉄・銅などのミネラルの働きにより生成されます。その一方で、ドーパミンやノルアドレナリンが不足すると「集中力の低下」や「後ろ向きの」状態にもなりかねません。

フェルアラニンは必須アミノ酸であり体内で生成されないために、私たちは食材を通して摂取する必要があります。チロシンは非必須アミノ酸であるものの、その再合成は脳内ではされないとされており、やはり食材を通しての摂取が勧められます。

<フェルアラニンを含む食材>
大豆食材(大豆、きな粉など)、小豆やピーナッツなどの豆類やかつお節などに含まれています。

<チロシンを含む食材>
大豆食材(大豆、きな粉など)、ピーナッツ、かつお節のほかにもチーズなどにも含まれています。

<ビタミンCを含む食材>
ピーマン、パセリ、レモン、イチゴなどに多く含まれています。

<ビタミンB6を含む食材>
にんにく、唐辛子などに多く含まれています。

過度な興奮時の伝達物質

アドレナリンは挑戦的な課題・対戦相手に対峙した時や高パフォーマンスが実現できた時に、私たちは「アドレナリンがのおかげで」とか表現するなど非常になじみのあるホルモンです。アドレナリンは攻撃性をも呼び起こす伝達物質であり、実はストレスを受けた際にノルアドレナリンからの指令により副腎内で分泌されます。ストレスには過度の興奮や緊張などの心理的なストレスがあります。そのほかにも、アドレナリンは肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に分解するためにも分泌されるため、糖分を過剰摂取することでインスリンが過剰分泌され一時的な低血糖状態となった場合などの生理的なストレスも原因となります。

アドレナリンには強い依存性があり、常にストレスに対処することで再び「ハイ」になりたいとの焦燥感を生み出してしまいます。また、アドレナリンの分泌が続くと、そのもととなったドーパミン・ノルアドレナリンの不足を招くことで「集中力の低下」や「やる気の低下」を引き起こしてしまいます。

また、ノルアドレナリンからの指令により、副腎上ではコルチゾールが放出されます。コルチゾールもアドレナリン同様にグリコーゲンの分解に作用します。しかしコルチゾールの過度な分泌はその不足を招き、感染症にかかりやすいとされています。コルチゾールの過剰分泌は、私たちの短期の記憶を保存する脳の「海馬」にダメージを与えるとも言われています。

パフォーマンス向上の栄養素(その2)

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